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弱々しく俺に抱きついてくる春。
それがとても愛しくて、さらにきつく抱きしめた。
たっぷり泣いたあと、春はゆっくり教えてくれた。
「…………写真は……家族で撮った写真で…………父さんも、母さんも、すごくきれいに笑ってた。」
『……うん。』
「…………でも……」
そこまで言うと、再び泣き出してしまった。
俺は、そんな春の背中をゆっくり、何度も撫でながら次の言葉を待った。
「……俺のせいで、離婚したんだ。」
……まさか。
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