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今は9月。
一緒に歩く道のりは、俺のなかで一番大切なものになった。
「……お腹すいた。」
お決まりの台詞。
『どっか寄っていくか?』
これもお決まりの台詞。
「……うん。」
そう言って、お決まりの場所に向かう。
カランカランと、ドアについたベルがきれいな音を奏でて、喫茶店に入る。
こぢんまりとしたそこは、骨董品がならんでいて、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す。
俺たちは決まって、窓際の席につく。
四角いテーブルに椅子が2脚。
対面式のその席は、窓が大好きな春の、お気に入りの席。
『いつもの、ください。』
俺たちが仲良くなった夏辺りから、ここに週に3回は来る。
そんなわけで常連ともいえるような客になった。
マスターも、俺たちがいつも注文するものを覚えてくれたのか、「いつもの」で通じるようになった。
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