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外に出るとあたりはうっすらと暗くなっていた。
「そろそろ、帰るか。」
俺の隣を歩いている春の顔を見ながら、当たり前のことを言う。
『…………やだ。』
…………は?
いつもなら、ここで『うん』っていうのに。
「なんで……?」
ありきたりなことを質問すると、意外な答えが返ってきた。
『…………今日……誕生日なんだ。』
「……え?」
だったら、早く家に帰って、家族に祝ってもらえばいいじゃないか。
「それと、俺とが、どうしてつながるんだ?」
誕生日なんて初耳だから、プレゼントも何も用意していない。
『……一緒にきて。』
俺の質問は、まるで耳に入っていないようだ。
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