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「うぜぇなぁ~!くるんじゃねぇよ!」
「またまた、照れちゃて!可愛い!涼太君!」
私の可愛い涼太君は三つ年下の高校一年生!
彼との出会いは、春の入学式!
受付をしていた私の前に現れた天使!
「今年の新入生はイマイチだねぇ~」
「唯、年下が好みだったけ?」
「そう言う訳じゃないけど…ちょっと目の保養に…」
「唯、オバさん臭いよ!」
木下唯。
高校三年生にして、すでにオバさん化している。親友のレミとわざわざ面倒臭い入学式の受付を引き受けたのもこのため?だ!
「さぁ、もう式始まるから中入ろ!」
中へ入ろうとした時だった。
「すみませぇ~ん!」
桜満開の並木道を、
遠くから誰か叫びながら走って来る。
「あの、寝坊して…すいません!受付終わりましたか?」
「大丈夫ですよ!え~っと名前は?」
「井上涼太です」
「ここを真っすぐ行って、体育館に入って下さいね!」
「ありがとございます」
急いで走って行こうとした時、
「あの、頭に桜の花びらが…」唯が彼の頭の桜の花びらを取る。
「ありがとうございます!」走って行く後ろ姿をいつまでも眺めている。
「ちょっと、唯!なにボーっとしてるのよ!」
「キタァ~!!かわいい!!運命の出会いだよ!レミ!」
「なぁに言ってるんだか。ほら、片付けるよ!まだやる事いっぱいあるんだからね!」
「井上涼太君かぁ~」
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