Epilogue

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Epilogue

 ハアッハアッ。  荒い息づかいが城の中に木霊(こだま)する。  その息づかいの主たる風間勇は最早肉片となった魔王を見下し、安堵の溜め息と疲労からの溜め息を繰り返していた。 「危なかった。ウィンド属性の奇跡。ブレイブウィングが無ければ敗れていた。それにしても……。まさか魔王が師匠だったなんて。それもあんな理由が……」  風間勇の目から大粒の涙が溜まっては零れる。 「でも、これで終わったんだ。今まで歩んできたことは決して無駄ではなかった。これからも俺が平和を守るんだ。ありがとうございます。師匠……。あなたのおかげで奇跡と呼ばれたあのブレイブウィングを使えるようになりました。それにしてもまさかブレイブウィングがあんな技だったとは……。正直驚きを隠せない」  風間勇の息は次第に落ち着きを取り戻し、魔王の城を後にした。  これで魔王は倒された。  しかし風間勇の戦いは終わっていない。  未だ世界は魔族の危機に瀕しているのだ。  風間勇。ブレイブウィングの使い手。  彼の様な人間だからこそ……。ウィンドの属性に生まれ、そしてブレイブウィングを身につけられたのだろう。  風間勇は今日も世界の平和の為に戦っている。  頑張れ! 風間勇! 最強の勇気の翼の称号を持つ者よ!
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