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俺は走った。とにかく走った。早くあいつを何とかしてやりたくって…あずさと一緒に走った。後ろからは護衛官が俺たち侵入者を追いかけてくる。捕まったら…殺される。
後ろを走っていたあずさが転んだ。俺はあずさの腕をつかんで立たせて、再び走り出した。
「ごめん…さとちゃん…。」
あずさは申し訳なさそうに言ってきた。俺は適当に返事して、黙った。無駄な体力は使わない。
俺とあずさは一つの部屋の中に入っていった。そして…その中にいた一人の初老の男につかみかかる。
「なっ…何だね、君たちは!!」
「少し手荒な真似させていただきますよ、総理大臣さん。」
初老の男…総理大臣の首に腕をまわして、頭にレーザー銃を押し当てた。それを見た護衛官たちの動きも止まった。
「総理大臣を殺されたくなかったら、今すぐ出て行きなさい。」
あずさが護衛官たちにむかって呼びかけた。護衛官たちが困ったような表情になる。
「早く行きなさいっ!!十数える間に出て行かないと、総理大臣の脳がぶちまけられるよ!!」
護衛官は逃げるように出て行った。俺は総理大臣の腕を後ろで縛った。
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