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「私のことを殺してどうするつもりだ。」
「ご安心ください。大臣を殺すつもりは最初からありませんでしたよ。ただ、お願いがあって参ったのです。」
あずさが静に言った。
「願いは何だ?」
「自衛隊に、改造人間破壊の協力をさせてください。」
「それは無理な話だ。自衛隊をそんな事で犠牲にするわけにはいかない。考古学者たちは気の毒だがな。恨むのなら過去の政府を恨め。」
何かすごく腹が立った。俺は気がついたら総理大臣の胸倉をつかんでいた。
「そんなことだって?ふざけんなよ!考古学者たちは、あんたらの決めたふざけた法律に未だに黙って従ってるんだよ!!それなのにあんたは過去の政府に全部責任押し付けるのか!?今までそんなふざけた法律変えようともしないで、見てみぬ振りしてたのが罪じゃないって言うのか!?」
「わっ、分かった!!落ち着いてくれ!!頼むっ!!」
「落ち着いてられるかっ!!俺の友達が…今その考古学者の世界に足を踏み入れてんだ!!あいつも毎日文句を一言も言わない。それをあずさと俺は毎日見てて…本当に辛いんだ…頼む…いや、お願いします…。」
俺は総理大臣に向かって頭を下げた。あずさも俺の隣に来て、一緒に頭を下げた。
「分かった…。やってみよう…。」
総理大臣は、観念したかのように言った。俺とあずさは顔を見合わせた。あずさの顔に笑顔が浮かんだ。
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