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「嘘…だろ……。」
涙もでなかった。もう…何もやる気が起きない。どうにでもなれ…。
「う…血生臭くてたまらん。死体を処理しろ。」
大臣がそんなことを言った。それを聞いた護衛官たちが、俺を押し退けてあずさをあっという間に運び出してしまった。
「君もあのようになりたくなければ正直に言いなさい。主犯は誰だい?」
「……。」
「…駄目だなこれは。お前達、吐かせろ。」
大臣が言った。命令された護衛官たちが剣を俺の喉元につきつけてきた。
「十数える間に言わなきゃ殺す。早く主犯の考古学者の名前を言え。」
…こんなやつらに、殺されたくなかった。でも…言ったら…あいつは全然関係ないのに殺される…。
俺は最終手段にでた。自分の舌を、噛みきった。口の中に血の味が広がっていって、口の外に出ていくのが分かった。意識も朦朧としてきた。でも俺はやつらに向かって笑ってやった。ざまぁみろ。誰がお前達に殺されてやるか。
そして俺の目の前は、真っ暗になっていった…。
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