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「――と、いうわけなんだ」
「う、うん……」
数分に渡った話を終え、それに対しゆうなは戸惑いを見せながら頷いた。
やはり、一度に理解するのは無理というものだろう。
ほんの一瞬の内に女体化してしまったなど、当事者である俺でさえ、素直に信じるのには抵抗があるほどだ。
いくら最愛の彼女と言えど、いきなり信じるなんて――
「分かった、信じるよ」
……どうやら俺は、ゆうなを見くびっていたようです。
思わずその頭を目一杯撫でてやりたくなるような笑顔で、ゆうなは俺に向け強く頷いた。
「し、信じてくれるのか?」
「もちろん。私はあかり……じゃなかった。あきらの彼女だもん。信じるに決まってるよ」
か、可愛すぎるぜ……!
なんと健気な言葉だろう。
あまりに嬉しい言葉を受け、俺の頬は完全に緩みきってしまう。
はたから見たら、きっと気持ち悪いぐらいニヤニヤしているに違いない。
ああ畜生、「信じてくれるのか?」なんてゆうなの気持ちを疑うような言葉を投げかけてしまった過去の俺を殴りたい。
組み伏せて再起不能になるまで顔面を殴打してやりたい気分だ。
「ありがとう、ゆうな。そう言ってくれると俺は……」
「水臭いこと言わないで。私、あきらの彼女でしょ?」
ゆ、ゆうなたぁぁぁんっ!
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