彼女はレズビアン

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  「ところで愛ちゃん」 「あだ名にしないでくれるっ?」 「じゃあ、あきら」  じゃあってなんだよ……。  俺と「あかり」の共通点が見つかって間もなく。  はし、と両肩を掴まれ、俺は無理やりゆうなと正面に向き合う形になった。  ぐっと強い目つきで見つめられる。 「お願いがあるの」  そう口を開くゆうなからは、先ほどまでののどかな雰囲気は感じられなかった。  むしろ切羽詰まったような、圧迫感のあるオーラを身にまとっている。  それほど今から話すことは大事なものなのだろうと、その雰囲気から察することが出来た。 「あの……ね」  一言ひとことを大切に噛みしめるかのように、ゆっくりと言葉を紡いでいくゆうな。  その独特の空気に飲まれ、俺までもが握る拳に力が入り、緊張してしまう。  なんだ? 何を言い出すつもりなんだ?  まさか、今までのほのぼのとしたそれとは打って変わって別れ話などと言われたら―― 「今日、泊まってもいい?」  ……はい? 「え……なに? ごめん、もう一回言って」 「だからぁ、今日、あきらの部屋に泊めてもらっていい? 終電なくなっちゃったし、タクシーで帰るなんて馬鹿らしいし」  ……どうやら俺の聞き間違いではなかったようです。  
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