彼女はレズビアン

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   ――彼氏の家にお泊まり。  胸の前に両手を合わせて懇願するゆうなが、つい先ほど発した言葉だ。  ……とやかく言うまい。  いや、とやかく言うわけにはいくまい。  彼女は俺の部屋に泊まりたいと言ってきた。  しかも、れっきとした己の意思での言動だ。  上辺では「終電がなくなった」などとのたまってあるが、それは否!  もし、たまたま終電がなくなったなどと言うのであれば、俺はこう返そう。  終電のなくなる時間に来たのはどこのどいつだ! と。  それはそうだろう。  自分の意思で終電のなくなるこの時間にうちへと訪問し、さらには「泊めて」とまで言ってきたのだ。  これを誘っていると思わず、なんと思えばいい。  くそう、粋なことをしてくれるじゃないか、俺のゆうなたん!  まさか誕生日サプライズがここまで及ぶとは、男心を非常にわきまえてらっしゃる。  さらには、翌日……いや、日付的には今日だろう。  今日はゆうなが企画した誕生日デートの当日なのだ。  もしかせずとも、こうしてお泊まりすることさえも、そのデートの一環として組み込まれているに違いない。  ヤバい。そう考えたらめっちゃテンション上がってきた。  今の気持ちを一言で表すならこれしかないだろう。  み な ぎ っ て き た ! !  
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