彼女はレズビアン

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   ゆうなが風呂場に向かってからほどなくして。  キュ、キュ、とシャワーの蛇口をひねる音が、ベッドに座りながらそわそわしている俺の耳に届いた。  ああ、今ゆうなは俺の部屋でシャワーを浴びているんだ。  そう思うと胸の奥がさわさわとざわめいて、いてもたってもいられなくなってくる。  ヤバいよ、マジヤバい。  このまま期待通りの展開になれば、あと三十分としないうちに俺たちは体を重ねることになる。  俺の誕生日に!  それもゆうなに誘われて!  腰の辺りからうずうずとした感じを覚え、俺はベッドに思い切りよく倒れ込んだ。  そのまま枕を胸に抱き、ベッドの上をゴロゴロと何往復も転がる。  たまんねえー! マジゆうなたまんねえーっ!  今にも叫び出したい衝動を抑え、抱いていた枕を壁に投げつけた。  そんでもって行為の邪魔にならないよう掛け布団も部屋の隅へと投げ捨て、動き回れるだけの空間をベッドの上に確保する。  これで完璧っ。 「んふふ」  嬉しすぎて、つい気色の悪い笑みが漏れてしまう。  ああもう。今から興奮してきてしょうがない。  頼むぜ、マイサン!  ゆうなが望むなら、中に出したって―― 「えっ……あ……!」  勢いが余って己の愚息の様子を見ようと股間に手を触れた瞬間。  舞い上がっていた俺は――ようやく思い出した。 「マイサンがいねぇぇぇええええええっ!」  俺が今、あかりという女だってことに。  
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