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「おう……」
英語表記にしたら間違いなく「oh」とされるであろう発音で、ため息をつく俺。
そのため息すらも、女のそれと大差ないほど、いやほぼそのものの高さを持っている。
ということは、当たり前のように俺は女のままということで。
掛け布団を剥いで股間を確かめてみるものの、そこには何もなく、感じるのは喪失感と絶望感。
いや、さすがに朝目が覚めたら元に戻ってるなんて、さすがに都合が良すぎるとは思っていたけど、現実を見せられると……。
やっぱりへこんだ。
はぁ、ともう一度ため息をつこうかと思った、そのとき。
「――ひゃいっ?」
不意に腹部に触られた感じがし、くすぐったさもあって思いがけず変な声を出してしまう。
何だ、と思って見ると、そこには――
「あかりぃ……」
寝ぼけたゆうなが、俺の腹に抱きついている姿が見えた。
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