あきら、今日も女です

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   あまりに気持ちよさそうな寝顔を見て、自然と頬が緩くなってしまう。  そうそう、ゆうなはよく寝言で俺の名前を呼んでくれたっけ。  ……いや、今のは「あかり」って言ってたけどね。  まあ、だからといってとやかく言うつもりはない。  なにせ、ゆうなからしてみれば、今まで「あかり」は「あかり」だったのだ。  それが昨日の日付変更と同時に「あきら」へと変わってしまっただけなのだから、無意識下で呼んでしまう寝言で「あかり」と言うのも無理はない。  本音言うと、赤の他人に浮気されてるようで、少し悲しいのだが。 「ゆうな」  そっと起こさないように彼女の名前を呼び、まだ俺の腹に抱きついているゆうなの頭をなでた。  細く繊細な手触りの髪の毛が指に絡み、それでいてなでるとすっと抜ける。  俺が好きないつもの感触だ。  なでなで分、チャージっと。  
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