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「とにかく離れて。くすぐったい」
「やぁだ。むにむにするのー」
むにむにするのはわざとだったのかよ!
「離れろ~!」
「やだぁー」
両手でゆうなの肩をぐっと押せども、まったく微動だにしない。
ゆうなに風呂場で襲われたときから分かってはいたが、やはり今の俺とでは力の差が歴然としているとは……。
「ん~っ!」
「えへへ、頑張るねぇ」
必死に腕を突っ張っても、ゆうなはニヤニヤとした笑みでこちらを見ているだけ。
な、なんつう一方的差だよ……!
力みすぎて腕がぷるぷるしてきたのに、向こうは全然余裕そうで。
むしろむにむにする速度が上がっているぐらい。
「は~な~れ~ろ~!」
この際やけだ、とゆうなの肩に、寝間着の上から爪を立てた、そのとき。
「――ぁひゃあっ!?」
脇腹をくすぐられた。
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