あきら、今日も女です

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  「ちょっ……や、やめれ!」 「あん、あきら可愛いよぉ」 「人の話を聞――あはははっ! 待っ、無理~っ!」  横っ腹を指で軽くつままれるようにくすぐられ、笑いたくもないのに声をあげてしまう。  肩や腰がビクッと震え、足をバタバタさせても、くすぐったくて笑いが漏れてしまうのだ。 「や、やめんかいっ!」 「いたっ」  さすがに怒ってゆうなの頭をひっぱたく俺。  予想以上にうまい具合に入って、パシンと乾いた音が高く響いた。 「もー……」  よほど痛かったのか、ゆうなはくすぐる手を止めて叩かれた患部を押さえた。  強く叩きすぎたらしい。  ゆうなを叩いた俺の手も、じんじんと軽い鈍痛がした。 「えっと……ごめんな?」  ちょっとやりすぎたかなぁ、と謝りつつも、とりあえず立ち上がり、ゆうなから距離を置く。  無意識的にゆうなの逆襲を恐れていたのだろう。  ……だが、その警戒に意味がなかったことを、俺は思い知る。 「まったく……しつけが足りなかったみたいね」  ぞっと背筋が凍るような声色。  それと共に顔をあげたゆうなの表情は――  まるで捕食者のようだった。  
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