2433人が本棚に入れています
本棚に追加
/532ページ
「し、しつけって……」
しつけ、という言葉の意味は知ってるし、またゆうなが発した意味するところも分かる。
だが、ゆうなの逆鱗に触れてしまったことを理解したくなかったのだろう。
ただでさえ高い声がさらにうわずり、語尾が震えてしまった。
「まだ大学まで時間はあるし……うふふ」
淫靡に笑みを含むゆうなの言葉に反応して壁掛け時計を盗み見ると、時刻は七時ちょい過ぎというところ。
今日は午後から授業が始まる日だから、ゆうなの言うとおり時間は十分にあるわけで……。
「あ、あの、ゆうなさん? 目が相当いっちゃってますけど……」
「えへへ」
まるでねずみを捕らえんとする猫のような目。
そのねずみに値するのは、言うまでもなくこの俺。
……ま、またこのオチなわけ?
最初のコメントを投稿しよう!