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「ゆうなのばかぁ……」
「まあまあ、気持ちよかったからいいでしょ?」
全裸でベッドに寝転がりながらぼやくと、下着姿のゆうなはくすくすと笑いながら返してくる。
それが図星、というか本当のことだったので、俺は何も言えずに押し黙ってしまった。
代わりに起き上がり、その辺に放り投げてあった俺のパンツを手に取ってそそくさとはく。
さすがに全裸はまずいなぁ、と思ってのことだ。
しかし……このぴったりと張りつくような感じが、なんだか嫌だ。
男のときはトランクス派だっただけに、ブリーフにすら慣れていない俺にはちょっと……。
「あきら、ブラの付け方分かる?」
パンツの感触に嫌悪感を覚えていると、不意にゆうなから声がかかった。
そちらに振り向くと、そこには俺の、というかあかりのブラジャーを手に持っているゆうなの姿。
ふりふりと振り、挑戦的な笑みを浮かべている。
「まあ、平気じゃね?」
差し出されたブラジャーを受け取り、俺は軽く返答する。
当たり前のようにブラジャーをつけた経験などないが、脱がした経験なら何度もある。
脱がすことができるのだから、着ることなどそう大差ないだろう。
シャツやズボンだって、着るのと脱ぐのは逆の手順をたどればいいのだから。
そう思っていたのだが……。
「……あれ?」
ブラジャーの肩紐をかけ、金具を留めようと背中に手を回したところで――
俺は固まってしまった。
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