色彩

2/4
523人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
  白くて綺麗で、哀イトしい 苦しみが消えないのなら いっそ染めてしまえば いいとさえ思った。 だってほら 俺は黒くて醜い 君ひとりくらい 簡単に、染め上げて しまえるとさえ思った。 「かぁめ、もう帰んの?」 「・・・明日朝早いから。」 「じゃあ泊まってけばいーじゃん。俺、朝送ったげるし。」 「、いーよ。仁は明日午後からだろ?ゆっくり寝てな。」 「・・・・・」 聞き分け良い子ちゃん なんて必要ないよ すき、ならすきと いたい、ならいたいと どうして君は口にしない? 「じゃ、また連絡する。」 「・・・俺が泊まれって言っても、帰んの?」 「・・・帰るよ。聞いてた?明日朝早いんだ。」 「聞いてた。」 「なら、帰るから。」 「(・・・なんで、)」 「仁?」 「・・・かめは、俺のことあいしてる?」 「、え?」 我ながら餓鬼臭いと思う 理解なんてしてる。 自分で自分がわからない なんて、もうとっくの とうに過ぎ去った。 俺は俺だよ。 かめがすきで かめにあいされたい。 「・・・ねぇ、答えてよ。」 「・・・何、今更聞くの?」 「良いじゃん!言ってよ!」 _
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!