108人が本棚に入れています
本棚に追加
和希は今まで彩音に近付く女は自分目当てだった事もあり、朋美を睨み付けるように見ていた。
朋美は和希の視線の意味に気付くと、少し嫌そうな顔をした。
「今までがどうだか分かんないけど、自意識過剰なんじゃない?私はあんたなんかに興味ないから!」
和希はそんな朋美の言葉に呆気に取られた後、吹き出した。
「ぶっ!はははは!お前、朋美だっけ?気に入ったわ。彩音を頼むな。裏切ったら…」
「んな事しないから!てか、あんたに気に入られるのって寒気がするから!何か、私と同類の匂いがするのよね…それに、私は彩音が気に入ったの。あんたに頼まれなくてもするし」
「あぁ、俺も今そうだと思った」
何故か黒い笑顔を出し合う和希と朋美を見ていた彩音と真司は顔を見合わせた。
「どういう意味だろ?真司分かる?」
「ん~。朋美が言ったので考えると、同族嫌悪に似た感じかも?」
『何か言った?』
真司の声が聞こえたのか、和希と朋美が声を揃えながら真司を睨んだ。
「い、いや…何も…」
真司が怯えて言うと、和希が真司にしか聞こえないように真司に近付いた。
「彩音に手だしたら……分かってるな?」
真司は首をコクコクとさせて頷くと、自分の直感が当たった気がした。
それは、二人共に気に入った人には甘く、時にはドSになるだろうという事に。
最初のコメントを投稿しよう!