プロローグ

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「答えろ!」  ――怒声が部屋一帯に響き渡る。 「…………」  ――彼は何も答えない。 「何故だ! 何故貴様がここにいる!」  ――怒りが滲み出る。 「…………」  ――彼は何も答えない。 「何故だ! 何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ! 何故なんだぁぁあぁぁ!」  ――獣が如く、吠える。 「………………すまない」  ――長い沈黙の果てに彼から紡ぎ出されたのは〝謝罪〟だった。  ――辛辣、悔恨、罪悪。  〝哀しみ〟の色が消えることはない。  ――拭えされはしない。  彼の――〝弟〟の憎悪は。 「何故僕の前に現れた! ルート=カイム=ウルセリアル!」  ――この複雑に絡み合った〝鎖〟の結び目は終焉まで解けることはなかった。 〝ルート=カイム=ウルセリアル〟  ――神に見入られし者。     〝覚醒者〟       アバター  ――世に疎まれし者。     〝連鎖破壊〟    チェーンディストラクション  〝運命――ラグナロク〟  ――全てが交差するとき、悠久なる時は終を告げる。  ――今、ここに始まりの鐘が鳴る。  世界の崩壊と共に――
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