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俺がなぜそこに行く事になったのか。
それはたわいもない事から始まった。
妻の美月とはいつも些細なことで口論となっていたが、その日はそれだけではおさまらなかった。
俺の浮気を見破ったぐらいで何様のつもりなのか。
いつもなら俺が怒鳴って部屋を出て終わりだろうが今回の侮辱は許せなかった。
俺は気がつくと妻を締め殺していた。
…どうする
死体が出なれば妻は失踪という事にならないだろうか。
この死体さえ完璧に処分できれば…
死体死体死体…
ふと、ある記憶が脳裏をよぎった。
それは子供の頃に祖父に聞かされた話。
昔、祖父が若かったころ陸軍の極秘研究を行っていたらしい。
俺は子供の頃からこの話が大好きでよくせがんでは無理やり話を聞き出していた…
大学時代にふとしたきっかけで見た郷土史跡の資料にそこが記載されそこは禁区とされていた。
学生時代はよく夏の怪談でここのことをネタにしたっけ。
あそこには日本軍の人体実験で出た大量の死体が埋められているらしい。
木を隠すなら森
そして誰も行かない…
これ以上死体を隠すのに都合のいい場所は他にないだろう。
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