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ツタに覆われた木に無数の顔が現れたのだ!
吹く風が木々の間をすり抜け悲鳴にも似たうめき声のような音を立てる。
ああぁ!
俺はどこへともなく走った!
何がどうなっているんだ?
深い森の中で木の根につまづき倒れ込む。
痛てぇ!くそ!
足もとを見るとそれは根ではなく白い手だった!
ふと周りを見ると無数の手が現れて囲まれている!
俺はその手を振り払い無我夢中で駆け抜けた。
少し明るくなっている方向へ走って森を抜け開けた場所に出た。
そこは霧に包まれた草原だった。
足に何か異物感を感じて見て見るとそれはドクロだった。
これは…ここは軍の実験施設…死体があっても不思議ではない。
ドクロを持ち上げるとその中から赤黄色い液体が溢れ出て来た。
慌てて放り投げると落ちたドクロは赤黒い肉をまとい黒い目から血の涙とともに目が現れてこちらをジロリとにらめつけその口元が笑った。
俺は後ずさりしながら逃げると目の前にあの鬱蒼とした木が現れた。
明るいところでみると木の色は白く幹には無数の顔が見える。
子供の顔…老人の顔…女の顔…
心臓が
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