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「いやああ゛ぁぁぁあぁぁぁあ゛!!」
少女の絶叫が森中を響き渡る。
バサバサと慌ただしく、鳥が飛び去っていった。
―――もう お嫁に行けないぃ゛ぃ゛!!(泣)
正座した状態で前に倒れ、塞ぎ込んで大いに泣き出した。
大声上げて泣きわめく。
そりゃもう 自分がいくつだろうが、女だろうが、全部忘れて。
―――ザリッ…
泣きながら塞ぎ込んでいると、地面をならす音が聞こえた。
なんとなく人の気配もする気がする。
それでも恥ながらも、泣き続けた。
―――どうせ 子供の体型よ
迷子か何かで泣いてると思うのよ…
泣きながらも思考だけははっきりとしていた。
人の気配はゆっくりと少しずつ、少女に近づいていく。
大人の人だと思った少女は、違和感を感じた。
地面を踏みしめる感覚的な音が、小さな子供のような気がする。
「―――どうしたの?」
子供独特の高めの声が少女に話しかけ、肩に手を軽く置く。
そうして少女の上体をゆっくりと起き上げ、慰めるように顔を覗き込んできた。
涙に視界が歪んでいた少女だが、徐々にはっきり見えだしていく。
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