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木々の間々からの溢れ陽が目の前の人物を照らす。
初めにはっきり見えたのは、眩い程の金色。
そして背景と同化しそうな程の緑。
「……泣かないで…?」
優しい声が少女にかけられ、柔らかな指で涙を優しく拭われた。
そうしてようやく目の前の人物が姿を現した。
空のように蒼い瞳
太陽の如く金色の髪
そして大自然に映える緑の衣服
可愛く綺麗な顔立ちの人物
「どうしたの?僕で良かったら、聞くよ?」
覗き込んでくる可愛い人物に、恥ずかしさを感じながら、ふと性別が気になった。
(……男…の子だよね?でもすごく綺麗で可愛いな…)
「キミ名前は?僕はリンク」
「…私は……―――」
「ただいまー…」
母親が帰ってきた。
だが返事がない。妙に静かな家。
9時29分
まだ寝る時間には早いはずだと思い、少女の部屋に行く。
コンコン…
ノックをしても返事どころか、人の気配さえ感じられない。
嫌な予感がし、血の気が引いていく。
勢いよくドアを開いた。
室内は電気が点いていなく、真っ暗。
電気を点け、室内を確認する。
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