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だが、さっきは迷子になったんだ。あんまりに信用性に欠ける。
「りっ、リンク!本当に当ってんの!!」
焦ってリンクに問いかけると、リンクは首だけ振り向かせ、可愛い限りの笑顔で、
「……大丈夫だよっ。僕ここには何度も来たことあるし、ほぼ一本道だから」
―――信用して良いのかな…?
でも私は道わからないし…。
それに、私の中で何故かリンクを信じてるし、この道で“当ってる”って、反応を示してる。
目が可笑しくなりそうな程の、緑の道を駆けていく私たち。
気づいたら、獣の追いかけてくる気配はなくなっていた。
「ほらっ、綾香!出口」
リンクの指差す方向に目を向けると、出口…と言うより、疲れきっている私には、気が遠くなりそうな程の階段があった。
「ここまで来れば大丈夫だろうから」
リンクに促されるまま階段を上がっていく。
やっとの思いで階段を上がり終える。
一息吐いて振り返ると、階段から下までは随分高い。
そんなところに、大きな古びた建物が聳え立っていた。
どこか神聖さを感じる。
「……ここは…?」
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