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「森の聖域…森の神殿だよ」
「森の…神殿……」
神殿…だから神聖さを感じるのか。
どんなに古びていても、神聖さは衰えを知らないと言わんばかりに、この森の中は澄んでいる。
今までに感じたことのない空気。
深く吸い込んで、瞳を瞑る。
「…妖精の唄が聴こえるだろ?」
「これ、妖精の唄なの?」
確かに何か落ち着くような、不思議な感じがする音が聴こえる。
「唄って言うか、…“声”みたいなものかな」
なんとなく納得して、また瞳を閉じる。さっきよりも音が大きく聴こえる。
「リンク――!」
「Σっ!!」
神聖な空気を吸っていると、どこからか私たち以外の、女の子らしいソプラノの声がリンクを呼ぶ。
その時リンクが異常な反応をしたのは気のせいか?
「リンク、やっぱりここに居たのねっ!」
「……あ…ああ “サリア”;;」
パタパタと子供独特の駆けてくる足音が聞こえる方を見ると、私たち…もとい10歳の私たちと同じくらいの少女が近寄って来ていた。
髪は少し深めの緑
瞳はリンク同様、青
服装も深い緑の長袖に、リンクと同じ緑の半袖
「…“サリア”……?」
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