コテリーヌ

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前回はあれだけ引っ張っておきながら店が閉まっているという最悪の事態を招いてしまった 『あっさり拉麺コテリーヌ』 読者もどんな店なのか気になって気になって夜も眠れないとか言いながら本当は爆睡しちゃってるに違いない そんな読者のためにも、いやもう俺自身が気になって仕方がないのでもう一度行ってみることにした そして俺は今、コテリーヌの前に居る。たしかに存在している お、人が出てきた。客だな。よし、今日は営業中らしい 俺のテンションが少しだけ上がるのを感じた。それは中学生が古紙回収の収集所で保存状態のよい成人男性誌……早い話がエロ本を発見した時のようなテンションの上がりようであった あれ?これだとかなり上がっちゃってるな まぁ気にしないでおこう いよいよコテリーヌの店内へ潜入!! 店名こそオシャレだが大将は完全にくたびれたオッサンで、頭はバーコードなんぞメじゃないほどハゲちらかしている ハッキリ言おう この店は絶対にまずい! 旨いわけがない! 隠し味は頭皮の脂ですとでも言わんばかりのハゲじゃないか! 絶対あれだ!持ってくる時にどんぶりに指突っ込んできちゃうタイプだ! ふざけんな!そっちがその気ならこっちも全力で笑わせてやる! もはや当初の目的も何もなかった。これは完全に勝負だ。オシャレな店名とは真逆のイメージが笑いを誘うというコンセプトはありがちだが、要となるオッサンのキャスティングが絶妙すぎる。危うく噴き出してしまうところだった 注文を取りに来た時が勝負ジョージだ。いや勝負所だ。何とくだらないギャグだ。くだらなすぎて逆に笑ってしまう きた!注文を取りに来た!メニューは ラーメン 餃子 ライス チャーハン 唐揚げ 定食系 これは俺が思い描いていた通りだ!勝った! 勢いそのままに自分は言い放った 「チャオズと国務長官!」 ざまぁ見ろ。まさかこれが餃子とライスだとは思うまい。さぁ笑え!腹を抱えて笑うがいい! 「……は?」 なっ!?このオッサン防御も一流か!ハゲのくせに!ハゲのくせに! いや、これは違うな。俺のレベルが高すぎたのだ。こいつのセンサーでは反応できなかったに違いない まぁ俺が本気を出せばこんなもんだな。さて気分もいいし帰ろう 俺は席を立って店を出た。ものすごく喉が渇いていたから水だけはいただいた 家に帰ってから気づいたことが1つある ……俺は何をしに行ったんだっけ?
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