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俺が引き金を2回引いたのを見たヤツラはすげぇ冷や汗をかいてやがる。そりゃそうだよな
俺が1回引いて助かったとしたら次は50%で助かるが2回引いたら100%の死しか待ってねぇんだ
「ほら、次はアンタだろ?引けよ」
銃を上条に投げ渡す。上条には恐怖の表情。さっきまでの余裕は微塵も感じられない。ククク…おもしれぇ
まさか俺が2回引くなんて思わなかったんだろうな。もう見えてんだよ。最後の6発目が当たりだってことくらい
まず、1度につき3回までしか引けないルール。何故このルールが必要なのか。それと何の躊躇いもなく3回引く理由。
それは、ほぼ確実に勝つためには必要なことだ。自分が3回引いた後なら俺が2回引かない限り確実にその次に仕留めることができるからだ。常識的に考えて先に3回引かれた後で2回引けるヤツは居ないだろう。
この罠を成功させるには自分が先攻になる必要がある。俺が先攻で1回しか引かなかった場合、自分が窮地に追いやられる可能性が高いからだ。そのためにイカサマコインを使う必要があった
策士策に溺れるってやつだ。さぁどうするチンピラ
「こんクソガキャー!」
やっぱりコイツらの頭脳は同じだな。予想通り俺に銃口向けて来やがった
「その銃の引き金を引いたらアンタら死ぬぜ?」
俺は内ポケットから仕事で使う拳銃を取りだし言い放った
しかしヤツらも拳銃を持ってるから強気だ。引き下がるどころか睨み付けてくる。上条以外の二人は特に道具を持っている気配はない
そして上条が引き金を引いた。ガチンと鈍い音がした。そう、また空砲だったんだ
ヤツラは動揺しまくった。だが俺に取っては完全な計画通りの展開だ
俺は先程取り出した拳銃でチンピラを片付けた。そして聞くヤツは居ないが最後にこう言い残した
「気付かなかったか?俺が引く前に弾装を振り出しに戻したんだ。次は空砲に決まってるだろ?」
END
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