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次の日、私は早めに起床し上司が教えてくれた病院に向かった。
コンコン。
ノックをするが応答ナシ。
静かに恐る恐るドアを開けてみると成澤はベッドに横になっていた。
整った顔立ち、まつげが長く肌は色が白く透き通ったようにきれいで。
髪はサラサラの少し茶色掛かった髪。
今はなぜこんなに自分に構わなくなってしまったんだろう。
とても人気で学年一目立っていたのに。
もし私がいじめられてなくても成澤には近付けなかった。
とても憧れていたから。
椅子に座りいつの間にかうたた寝をしてしまったらしい。
また昔の夢を見ていた。
「だれあんた」
突然耳元で小さな女の子の声が聞こえた。
私は目をゆっくり開けるとそこには一人の幼稚園児が立っていた。
幼稚園の制服を着て、長い髪を苺のゴムで二つに束ね、目はクリクリと大きく茶色の瞳でまつげも長く、かなりかわいい。
「誰って私は…」
私が口籠もると女の子はかなり強い口調で言い放った。
「パパのかのじょ?あたしきいてないんだけど」
「パ……パパ!?」
私はあまりにも驚いて絶叫。
その声で寝ていた成澤が起きた。
「あっあれ?ゆりあさん?」
「あっ私は上司の人に見舞いに言ってやってくれって言われて来ただけです」
私は咄嗟に嘘が口を突いて出てしまった。
「そうですか。ありがとうございます。あっ菜々そういえば幼稚園は終わったのか?」
なっ菜々って。
子供のことだったの?
まさか既婚者だったとは。って一体いくつのときの子よ。
私はなぜか胸がチクンと痛んだ。
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