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「パパ、ななね、今日とってもおりこうにしてたねっておばあちゃんに褒められたの」
なっなんた。この子。
さっきの態度と全然違うじゃないの。
顔もニコニコ作り笑顔なんてしちゃって。
可愛くないガキ!
「成澤さん具合はどうなんですか?何か大きな病気とか?」
「いやいや、ただの過労です。ここのところ頑張って仕事しすぎちゃって」
「えっ私全然きづかな…」「なな、パパとおはなし二人でしたいな」
いきなり菜々子ちゃんが私の言葉をさえぎる。
「そっか。あっゆりあさんせっかく来てくれたんだけどまた連絡しますね」
私は結局何も話せないまま病室を後にした。
なんなのこの敗北感。
あのガキ、只者じゃないな。
全くあんな年から作り笑顔してるし怖いガキだわ。
結局その日成澤から何の連絡もなかった。
連絡先は初めてお店に来たとき名刺を渡して知っているはずなのに一度も連絡きたことないんだ。
私が振り回すはずがまた振り回されてる。
しかも既婚者だったなんて。
あんな大きな子供いるし。私、何期待してたんだろう。
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