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ある肌寒い夜、青年は友人宅に報告に出掛けた。
昨日の、呪いの遊びの結果を友人に知らせるためである。
「お前さ、ちょっと前にネットで話題になった、呪いの遊びって知ってる?」
友人宅で漫画を読みふけっていた青年に、友人は唐突に話し掛けた。
青年は読みかけの漫画を床に放ると、薄ら笑みを浮かべる顔を覗き込んだ。
「何だよそれ?」
「知らねーのかよ、結構話題になったんだけどな。」
友人は気だるそうにパソコンにスイッチを入れた。
「やると呪われるらしい。」
「下らねぇなぁ、前にもそんなんあったろ。」
と言いつつ、青年はその手の話しが好きなので、目を輝かせてパソコンの画像を見た。
「これはリアルにヤバいらしいよ、試した奴が何人か死んだんだって。」
「そんなんパチに決まってるだろ~」
友人は手慣れた手付きでマウスを操作した。
カチカチと無機質な音が部屋に響いた。
「これこれ。」
その開かれたサイトは、画面が真っ赤で、奇妙な文字があちこちに散りばめられていた。
青年は少し気味が悪くなった。
「ここにやり方が書いてあるんだよ。」
文字をクリックすると、今度は真っ白な画面になり、緑色の文字が画面を埋め尽くした。
「早く教えろよ。」
青年は目を輝かせ、友人の肩を叩いた。
「あったあった、呪いの遊び……『コノハナダレノ』」
友人がその言葉を口にすると、背後に視線を感じた。
振り返ろうとすると、友人が急に叫んだ。
「振り返るなッ!!」
驚いた青年が友人を見ると、友人は鬼気迫る様子で青年を睨んでいた。
「いいか…何があっても絶対に振り返るなよ。」
そういうと画面にむき直した。
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