1・コノハナダレノ 前編

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ある肌寒い夜、青年は友人宅に報告に出掛けた。 昨日の、呪いの遊びの結果を友人に知らせるためである。 「お前さ、ちょっと前にネットで話題になった、呪いの遊びって知ってる?」 友人宅で漫画を読みふけっていた青年に、友人は唐突に話し掛けた。 青年は読みかけの漫画を床に放ると、薄ら笑みを浮かべる顔を覗き込んだ。 「何だよそれ?」 「知らねーのかよ、結構話題になったんだけどな。」 友人は気だるそうにパソコンにスイッチを入れた。 「やると呪われるらしい。」 「下らねぇなぁ、前にもそんなんあったろ。」 と言いつつ、青年はその手の話しが好きなので、目を輝かせてパソコンの画像を見た。 「これはリアルにヤバいらしいよ、試した奴が何人か死んだんだって。」 「そんなんパチに決まってるだろ~」 友人は手慣れた手付きでマウスを操作した。 カチカチと無機質な音が部屋に響いた。 「これこれ。」 その開かれたサイトは、画面が真っ赤で、奇妙な文字があちこちに散りばめられていた。 青年は少し気味が悪くなった。 「ここにやり方が書いてあるんだよ。」 文字をクリックすると、今度は真っ白な画面になり、緑色の文字が画面を埋め尽くした。 「早く教えろよ。」 青年は目を輝かせ、友人の肩を叩いた。 「あったあった、呪いの遊び……『コノハナダレノ』」 友人がその言葉を口にすると、背後に視線を感じた。 振り返ろうとすると、友人が急に叫んだ。 「振り返るなッ!!」 驚いた青年が友人を見ると、友人は鬼気迫る様子で青年を睨んでいた。 「いいか…何があっても絶対に振り返るなよ。」 そういうと画面にむき直した。
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