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ドサバサ、ガダン……
倒れ込むように山小屋にたどり着いた。
「ハァハァ…死ぬかと……思った…」
いくらスタッフの防寒ウェアだからって寒いものは寒いんです。
この山小屋は頂上担当スタッフによく使われているから割と設備はしっかりしているけど山小屋は山小屋………
私の不安はもう早ピークです。
ストーブは灯油も準備されているし毛布もある。
私は着ていたウェアをハンガーに掛けるとようやく温まってきた部屋の中でため息をついた。
私の名前は鳥居まお
長い大学生活も、あと少しで卒業。
旅行会社に就職が決まり彼氏もいない私が最後に選んだアルバイトがスキー場。
何故って……
高校からの友達、葉山由紀の『大学生活最後の出会い』というキャッチフレーズに乗せられ…
寒い寒い山小屋にこうして身をすくめるなんて……
神様はいないんだなぁ…きっと。
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