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ハンガーを渡し彼がウェアを掛けると「ドウモ」と頭を下げた。
やっぱり違う。
会話…無理…かな?
「ココ、座ってください!寒かったでしょ?ココ…」
ジェスチャーを交えながらの説明…
しかも私までなんでカタコト………
近くで見ると切れ長の目にスッとした鼻が凄く印象的で、なんだか一瞬こんな状況が恥ずかしくなった。
「ミチ…マヨイマシタ…フブキ…」
唐突に話し始める彼の気持ちが私にもわかった。
空気を変えたかったんだよね…
「え?あっそうですか(汗)…ふ…吹雪…突然でしたねぇ…ハハ…ハ…」
日本語を一生懸命聞き取ろうとしているのかまっすぐな瞳で私を見ていることに照れてしまい、そんな空気を払いのけたい一新で立ち上がり無造作に積まれていた毛布を出してあげた。
彼は口元をクッとあげ微笑むと毛布にくるまった。
……笑った顔…綺麗だな…
ハッ!見とれてしまった…恥ずかしい(照)
ジジージジジージジージジジー
あっ!?
『鳥居…ん……聞こえ…す?』
「はい!!」
『かな…ひどい…雪…から迎えに行く……朝になり…うなんだ…』
「えっ!朝!?困りますよ!お客様も一緒なんですけど!」
『本当か?良か…た…捜索願い…そうと思って…んだ…お客様…無事か?』
「あっ、さっき大丈夫って言ってましたけど…」
『そうか…良…った…悪い…だけ…迎えが来る……待って…よろしく…ジジージジジー』
「ちょっと待って!えっ!……ウソ」
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