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「さっむー!もういいから帰ろうぜ!!!」
「そうだねーたまにはケンちゃんもいいこと言うね!」
「夏美は一言余計なんだよ!」
することがなくなったあたしたちは帰路に就くことにした。
幸人は最近みんなに自分のことを話した。
親が目の前で死んだこと
今まで自分がどんな目に逢ってきたか
この前母親が逮捕されたこと
これも進歩だ
「夏美の言うことは全部正しいよ。ケン夏美に謝って。」
「にゃにをー!?」
「くっぷぷっ!俊介は夏美にベタボレだよな本当!」
「やーねぇ恭平、ナツだって俊介にベタボレよ?」
「へーへー。」
「「…」」
初詣の帰り道、前を歩く4人の後ろをあたしと幸人は少しゆっくり歩いた
「ねぇ…美海。願い事、何にした?」
「んー…じゃあ聞くけど幸人は何にしたの?」
「…言えない。」
「じゃああたしも言えない♪願い事は人に言わない方が叶うんだから!」
「そうなの?」
「うん!」
今年のあたしは欲張りだなぁ…
願い事を一つに絞れなかった
『みんなと一緒のクラスになりますように』
『幸人があたしを好きになりますように』
『ずっと一緒にいられますように…』
全部叶えたくて、念入りにお祈りした
叶うといいなぁ…
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