君のおかげ

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「みっきーってさ、スペシャルの時に比べたらすっごい身長伸びたよね」 いきなり何の突拍子もなく、台本を読んでいたみっきーにそんな事を言うと「え?」と少し驚いた顔をしたので、もう一度「身長延びたよね」と今度はちゃんと目を見て言うと、あぁと彼は続けた 「確かにそうだねー」 「いいな…おれ、最近全然伸びないんだよな」 14才なんて、普通なら伸び盛りな筈なのに、おれの身長はここ一年全然伸びていない。 それに比べてみっきーは、同じ歳なのにおれより全然高くて、その差は開くばかりだ (正直…羨ましい) 不満そうなおれを見たみっきーは 「でも、やまちゃんは小さい方が可愛いよ?」 と、そう宥めるように言うけれども、こっちとしては可愛いと言われても嬉しくなんかない。 (それにそのセリフは同じグループの裕翔くんにも、高木くんにも言われた) 「別に可愛くなくていいもん。 それに、みっきーはちゃんと身長延びてるのに、おれはあんまり変わらないなんてずるい…。」 何だか悔しくなってきて、拗ねるようにそう言うと (おれ、まるで子供みたいじゃん…) 彼はクシャリとおれの髪を撫でてくれた。 それが気持ちよくて、思わず細く目を閉じて感じていると、みっきーは「大丈夫だよ」と柔らかに優しく微笑んだ .
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