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「いまは低くても、すぐ伸びるって」
「ほんと?」
「うん。」
まるで確信があるようにきっぱり言うものだから、何だか少し安心した。
「ありがとう」と感謝の気持ちを込めながら笑顔で言うと、みっきーは「どういたしまして」と、柔らかく微笑んだ
「でもさ、僕的には、やまちゃんは今ぐらいの身長の方がいいな」
「え、何で?」
「だって――」
みっきーがいきなり、俺の顎を軽く持ち上げたかと思うと、唇に感じた柔らかい感触。
何が起きたのか分からなくて、それは、ほんの数秒後にチュッと軽いリップ音を発てて離れていった
「こうゆう事する時、やまちゃんの方が身長高かったら、かっこつかないでしょ?」
そう言って彼は、いたずらに成功した子供みたいな笑顔を浮かべてみせた。
その笑顔で、自分が何をされたのかやっと気がついて、その瞬間、顔が熱を帯びて真っ赤に染まったのが自分でも分る。
(どうしよう、恥ずかしくてしんじゃいそう…)
「…み…みっき、…」
「ね?」
同意を求めたみっきーから、真っ赤になった顔を隠すように伏せて、コクンと控えめに頷いてみせた。
(君のおかげで、少しだけ自分の身長が好きになったよ。)
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