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扉が音をたてて開く。
中はさしずめ中世の城の謁見の間。
ルビーの敷石にレッドカーペット。
その上を歩いていく。
目の前は紅の玉座。
―その玉座に、彼女は座っていた。
その瞳は紅の満月、その髪は対とも言える水色、その姿は幼子、だがその見た目からは判断しかねる膨大な魔力。
“初めまして…で、いいかしら?外の世界の神父さん。”
言葉を当てられただけで周りの空気は重くのしかかる。
フォリア「…お目にかかれて、光栄です。【永遠に幼き紅い月】、レミリア・スカーレット嬢。」
怯めば潰される…。
そう判断した俺は威圧を受け流し、平静を装いながら一礼、挨拶を返す。
レミリア「好きに読んで貰っても構わないわ。倒れていたとはいえ、あなたは客人、その呼び方は窮屈でしょう?」
クスリと笑いながら階段を降りてくる。
レミリア「随分マナーが出来てるようだけど?」
近づくにつれ、その魔力は枷となり俺の動きを拘束していく。
フォリア「出身は紳士・淑女と名高い国の出なので…。」
フォリア(相手は吸血鬼…。真祖ではないが死徒でもない。
手を握りこみ、「鍵」を取り出す。
鍵と呼ぶには鋭利すぎた「鍵」を…。
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