紅―その目は流れ出る血の如く―

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黒鍵―。 通常ならピアノの黒鍵盤を指す。 だが、この鍵は「鍵(けん)」ではなく、「剣(けん)」。 本来なら刀剣、又は投剣そのものだが、フォリアは様々な改造を施し、独自の黒鍵に仕上げてある。 前に立つ「異端」を狩るために。 …異端? 二足で立ち、言葉を発し、表情を変える少女が…異端? フォリア「…。」 指の間に黒鍵と親指ほどの大きさの弾を滑り込ませ、手中で黒鍵の柄に装填する。 黒鍵が魔力で共振を始める。 それと同時に前から来る「異端」を見据え手に持つ黒鍵を突き出す。 突き出した先の少女は紙一重…まるでこちらの武器の長さを初めから知っていたかのようにピタリと止まる。 レミリア「…前言を撤回するわ。そちらの世界の紳士淑女は随分血の気が多いのね」 フォリア「いえ、レミリア嬢は漫談より『舞踏』の方が好みかと思ったが…」 レミリア「…。」 フォリア「レミリア嬢。」 ―空気の温度が急激に低下していく。 フォリア「―Shall we dance?」 レミリア「…いいわ、今日は紅い良い月夜。戯れも悪くないわね。」 レミリアは距離をとるために後ろに飛ぶ。 レミリア「夜は長いわ、精々楽しませて頂戴…!!」
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