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「あの方の最期を…看取ったなら、貴方は今独りじゃないんですよね…?」
自分以上に孤立を極めた彼が、唯一信頼を寄せていた此処の創設者でもある"キルシュ・ワイミー"
話によれば、彼の死を悟った後Lも亡くなったと聞く
それが本当ならば、きっと彼は独りじゃないはず。
実の親の様に慕っていた者を目の前で亡くした
もしそうなら、彼は生きていて孤独に耐えられていたのだろうか
共に逝って、世界の終焉を見守る事が彼にとっての幸せだったのではないのだろうか
本人がいない今、真実は闇の底に隠されてしまったが、彼の死は全てが絶望に堕ちたものでは無い気がする。
「――…どうして、私を置いて逝くんです…」
そして、これが本音。
バラバラのピースに手を伸ばす
幾度無く完成させて来たはずのパズルは、何故か自分の手の中で形を成さない。
否、成そうとしないだけ
このパズルを完成させれば、絶対に次は崩せなくなる
そんならしくない感情に畏怖されて、震える指先でピースを取る
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