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「…二代目L…そんなもの、いらないんですよ…Lは、貴方だけなんですから」
跡継ぎとして育てられた自分とメロ
相反した二人だっただけに、メロは自分の道を進むべく此処を出たらしい。
表沙汰では言えない事だが、自我に逆らわずに行動出来るメロを多少なり羨んでいるのも事実。
「キラは…私のLを奪った、私が二代目Lならば…キラを死刑台に送ります。」
いつもの様に、パズルを填め込んでいく。
それが愛した彼が望む事ならば
この身捧げてもやり遂げよう
それが私の出来る彼への餞となれ
「――…鐘の音…」
ふと顔を上げて、窓の外を見上げる。
此処は一定時間毎に鐘が鳴る。
いつもは差して気にならない音
それが今日はとても心地よく聞こえて
何故か、無意識に乾いたはずの涙が再び流れた。
「あぁ…ちゃんと…帰って来てたんですね…」
この鐘の音が、彼はとても好きだった
二人で居た時も、そして形として消えた今も、それは変わらずに
私の中で、今も貴方はしっかり見守ってくれている
それが例え自身の僻想だとしても
私も彼も
同じ一人の人間なのだから
想いは永久に
互いの心は繋がって
例え逢瀬が叶わずとも
鐘の音に乗せて
貴方の心に届けよう
→後書き
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