ささやかな贈り物

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「…パレードすごかったね!!」 「確かにすごかったなぁ」 「次はどうす……あっ!!ビックサンダー!!!!また乗りにいこっ!!」 もう3回目になるよお嬢さん しかも完全に酔いから醒めたわけじゃない 今度こそリバースしかねないぞこりゃ…… 「こ……この余韻に浸りながら帰宅しようか!!時間も時間だしね!」 時間は8時20分を過ぎたあたりだった 「飲み物でも飲みながらかえりましょうや」 「…そだねえ」 そして特設ステージ近くのブースに一緒に飲み物を買いにいった。 「んーと……コーラを2つください」 「はい!かしこまりました。」 ……? つか出口どっち方向だっけ? ガイドブック広げんのめんどいし… 「あの…すいません」 「はい?なんでしょう?」 「出口ってどっちの方向ですか?」 単純に教えてくれるかと思いきや キャストはおもむろに時計見ながら言うのだった 「もう、お帰りですか!?」 期待もしない答えに戸惑う 「へ??……はぁ」 「お急ぎでしょうか?」 「いやべつに…急ぎではないですが…」 正直ムッとした。 普通に受け答えしてればよいものを なぜそんな事を聞く? 「では、今日1日のことを思い出してはいただけませんか?」 は? 何をいきなりいいだすんだこの人は 思わずうぜぇと言いかけたとほぼ同時に キャストがオレらの向こうを指差し言うのだった 「どうぞあちらを」 言われるがまま振り向くとその刹那 ポンっ!! ドドーーーン!!!!!!!!!!!!!! そこには花火が打ち上がっていた。 音楽と調和しながら大きな開く花。 大小様々な花火 色鮮やかな花火 「あ……ミッキー…」 ミッキーの形した花火もあった 花火が打ち上がる事を知らなかったオレたちは 飲み物を受けとる事を忘れ ただぼう然と眺めていた。 知らず知らずに脳裏に甦る 楽しかった今日の1日。 あっという間に終わった花火 三度我に帰ったオレと彼女に この上ない笑顔でキャストはこう言った。 「ひとつ、思い出を加えていただけましたか?」
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