野良猫の罪

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野良猫の罪

屯所からしばらく歩いて待ち合わせの場所へ… ソコは恋人達が多く待ち合わせをする公園だった。 アタシは公園の時計を見て待ち人を待った。 通り過ぎる人の波を眺めながらいく時か過ぎるとその人は現れた。 「ごめんね!待った??」 やって来たのは如何にもチャライ男… こんがりサロンで焼いた肌に、派手な金髪をワックスで固めた彼の名前は遊斗(ゆうと)。 「大丈夫!今来た所だよ」 そう…それは俗に言う浮気だった。 「ねぇ今日何処行く?」 「ゲーセンで良いんじゃなぃ? プリ撮ろーよ! その後さ、ニケツで走ろーよ!!」 歳の離れた彼とは違う同年代のお遊び。 マンネリだったアタシには、ちょっと危険なその感じがとても魅力的だった。 「良いぜ!後ろ乗れよ!」 どう見ても交通違反のニケツ。 時にはサツとの追いかけっこ。 その後ろで風をきるのがどうしようもなく快感だった。 だけど、アタシはその時まで気が付いていなかった。 その快楽がどういうモノを代価にしていたかなんて… 「きゃあああwwめっちゃ飛ばすじゃん!今日!!」 頬を髪がうつ。 顔の横で風が流れて行く。 何処をどう走ったなんて、ただ後ろでハシャいでいたアタシにはわからない。 ただ気が付いたのは、どんどん市街から離れて居ると言う事だけ… 「ねぇ!この後カラオケじゃなかったの?? 山ん中じゃんココぉ!!」 バイクは一台の車の前で止まった。 黒塗りの車を見たとき、流石にマズイと思い始めた。 車のドアが開くと数人の男がぞろぞろと出てくる。 「ねぇ…遊斗…これ…どういうこと…?」 声が震えた。 足は動かない。 ―最悪だ…― 「あれぇ~?まだそれ本名だと思ってたんだ?? 悪い子だねぇ…ミ・ケ・ちゃんww 街中で知り合った名前しか知らない男にのこのこ付いてきてぇ! 大丈夫!ちょっとビデオ撮るだけだからさぁ…アハハ!!」 軽ノリのままアタシを犯すと発言する遊斗に髪の毛が逆立つ程怒りが込み上げた。 「この…人でなし!!」 アタシは走って逃げ出したが、足がもつれて上手く動かない。 直ぐに腕を掴まれて車に引きずり込まれる。  
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