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ヤイバが次第に遠退いていく。 行かないでよっ、そう叫ぶがまるで聞こえていないというように小さくなっていった。 自分の伸ばす手がとても哀れに感じれた、何もできないことが悲しかった。 「・・・・・ハッ!?」雫はベッドから跳ね起きた。 全身汗でびっしょりだ。 しかしそんなことは構わずに真っ先に調理場に向かった。 走る音が、荒い呼吸が自分の心を揺さ振る。 バァン、勢いよく飛び込み、ちゃんと目的がいるか確認する。 その目的の者は椅子に座り、テーブルにうつ伏せになっていた。 「ヤ、ヤイバ・・・・・?」ゆっくりと体を揺さ振る。 「くっ、うっ・・・・・」雫の呼び掛けに反応したのか、苦しそうに声を吐き出す。 「どうしたのよっ!?ヤイバッ、ヤイバァ。」
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