一年の終わり、始まり

83/155
前へ
/1512ページ
次へ
ヤイバの心は常に孤独なのだ。                コンコン、部屋を扉をノックする音が聞こえてきた。      「・・・・・入っていいか?」ヤイバは少しだけ扉を開けて中を覗く。                            いつの間にか時間が過ぎていた。               雫は起き上がってヤイバを見る。「どうした?」        「入って。」雫はヤイバを招き入れた。                           雫があまりにもじっと見つめてくるのでヤイバはわけも分からず少し動揺した。         「何か言いたいことでも?」そんなヤイバを目のあたりにし、雫は目を閉じた。         「?」            「ふぅ。」雫は深呼吸をして両手を動かした。                        そのまま手はヤイバの肩に触れ、しっかりと掴んだ。      「何を・・・・・」      「私は、私はあなたを一人にしない。」            「ん?意味を・・・・・」   「・・・・・ううん、独り言だから気にしないで。」      「・・・・・そうか。」
/1512ページ

最初のコメントを投稿しよう!

324人が本棚に入れています
本棚に追加