プロローグ

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その光景をどこか暖かい目で見つめる、群青色に銀色の刺繍を施した、あまり派手ではないが見た目からして高価なローブを纏った少年が、広場のベンチに座っていた。 そこに一人の老人が、広場の方から歩いてきた。70歳位だろうか、しかしまだまだ現役という雰囲気を持った老人が、少年に話しかける。 「いやぁ、凄いな、Sランクが束になって掛かっても撃退できなかったあのタコをあっさり倒しちまうとは。さすが、二つ名持ちは違うってとこか」 いえいえ、こっちも仕事で、報酬もらってますから。これくらいは」 「しかし最初にお前さんが来た時は正直ギルドに見捨てられたかと思ったぞ。マ、その時は村を引越す覚悟だったが」 「その覚悟が無駄になって良かったですよ、村長」 「ちげえねぇ」 そう言って、村長 と呼ばれた老人は笑う。何気にお互い失礼な事を言っていたが、下手に気を遣われるよりはこの方が良いと少年は思った。 .
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