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章広(アキヒロ)。   わたしはその花に、人だった頃と同じ名前をつけた。 他にその花を呼ぶ名を知らなかったから。 花になってしまったら、もう“恋人”とは呼べなくなってしまうのだろか。 “人”ではなくなってしまったのだから。   それはとても綺麗な青い花だった。 青い色は、章広の好きな色だった。
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