418人が本棚に入れています
本棚に追加
章広と付き合うことになってからも、章広は変わらぬ厳しさでわたしに指導を施してくれた。
わたしにはそれが特別のように思えて、章広の下で不出来な自分さえも愛しく感じていた。
二人きりになると章広は更に優しかった。
わたしを愛することだけに心を向けてくれているようで、わたしは章広の傍にいるだけで、いつだって自分が愛されている幸福感に身を委ねていられた。
自分だけが世界中でただ一人“特別”なのだと感じていられた。
章広は、そんなふうにわたしを愛してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!