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自分の席に着き、周りを見渡す。
春の香りがただよう教室。
最後の一年を共に過ごす仲間たち。
穏やかで暖かな風景に、私は希望を感じた。
ふっと後ろを見ると、その席に座っていたのは、とっても美人な女の子。
真っ黒でさらさらのロングヘアに、それと対称的な白い肌。
机に肘をつき、ぼーっと窓の外を見つめる瞳はどこか寂しげで。
なんだかわかんないけど、心が惹かれた。
『儚い』
そんな言葉がぴったりの印象。
私の視線に気づいたのか、彼女がこっちを見る。
目が合って、急に恥ずかしくなってしまう。
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