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「…夏南って、ここ育ちじゃないの?」
「バレた?」
私が聞くと、夏南は悪戯っぽく笑い、「生まれも育ちも大阪」と言った。
「訛りをね、直そうとしてるんやけど、なかなか直らなくて」
「たしかにそんな感じする~」
「上京してきたばっかりやし。だからこの辺詳しくないの」
「上京したばっかり?」
驚く私を見て、けらけらと笑う彼女。
「そんな驚かなくても。編入したんよ、高校も」
「そーなんだ……どーりで」
「ん?」
「朝、夏南を見た時にね、こんな美人がうちの学校にいたなんてって思って」
「言うね~」
夏南はまた笑い、フライドポテトを頬張った。
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